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第17回 療法士インタビュー

~第17回の療法士インタビューは、現在、オランダでフィジオセラピストとして活躍されている相良さんにお話を伺いました。オランダでフィジオセラピストを目指した切欠や、実際のオランダでのフィジオセラピストの役割など、これから海外で働きたいと思っている療法士や、スポーツ界に興味がある療法士にとって大変興味深い内容となっています。~

オランダ発 サッカー界のリハビリのスペシャリストを目指して

Sport Medisch Centrum Amsterdam 
フィジオセラピスト 相良浩平

 

 

 

東日本大震災被災者の方々、ならびにご家族様へ

 まずはじめに、このたびの東日本大震災により被災された方々、ならびにご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。このインタビュー記事を書いていたのがちょうど大震災の直前でしたので、内容の変更等、いろいろと考えましたが、日本から遠くはなれたオランダにいる私がすべきことは、まずは目の前の自分の仕事を全うし、医療従事者としての能力を磨き、将来の日本のスポーツ、医療の発展に少しでも貢献できるよう努力して行く事だと思いましたので、今回の記事も大震災前に書かせて頂いたものをそのまま掲載させて頂こうと思います。

トレーナーの経験の中から、リハビリに興味が

Q.フィジオセラピストになろうと思ったきっかけは?

A.筑波大学時代に、サッカー部で選手をしながらトレーナーを経験させてもらったことがきっかけでした。その中で、フィジオセラピストになろうと思ったのは、トレーナーの仕事の中で「リハビリ」に興味があったからです。トレーナーという職業そのものに執着はなく、

自分はサッカーの世界でリハビリのスペシャリストになりたい!

という思いがあったので、そのためにどこで何を勉強すればいいのかを調べました。リハビリを勉強するには理学療法だということだったのですが、スポーツの分野では日本はまだメジャーではないということで海外のサッカー先進国に目を向けました。その中で、フィジオセラピーの教育レベルや社会的地位が高い国を調べ、多くの先生方と、すでにオランダにいらした先輩のアドバイスでオランダ留学を決めました。

学生時代からプロサッカーチームで仕事が出来た喜び!

Q.オランダでフィジオセラピストになるまでに、最も楽しかった(苦労した)ことは?

A.言葉の問題は日本人なら海外に出れば必ずついて回ることはわかっていたので、留学前からそれを何かの言い訳にすることだけはしないと決めていました。それを除けば本当に面白いことだらけでした。運良く学校に入った2年目からFCユトレヒトというオランダのプロサッカーチームのユースで仕事をさせてもらえるようになり、現場で経験を積みながら勉強できるという最高の環境でした。なぜオランダはこんなに小さい国なのにサッカーが強いのか、なぜオランダのフィジオセラピーの環境はこんなに素晴らしいのかということを、現場で体験しながら自分なりの答えを探して行くのがとても面白かったです。

チーム一丸となってリーグ優勝を狙える環境がある

Q.現在の職場・スポーツ界で勝負しようと思った理由は?

A.金銭面、クラブの規模、などを考えればもっといい話はありました。
それでも現在の職場であるIjsselmeervogels(オランダ3部のサッカーチーム)に決めたのは、その前から興味を持って勉強していた

「サッカーのピリオダイゼーション」

を、もっともいい形で経験、実践できると思ったからです。

 実際に、この理論の創始者であるレイモンド フェルハイエン氏からの紹介でもあったので、迷わず決めました。サッカースペシフィッックの理論で選手の怪我を予防、リハビリし、それがチームの勝利につながる。監督、コーチとフィジオセラピストが同じフィロソフィーのもとに仕事ができる、という素晴らしい環境です。チームの怪我人を最小限に、そしてチームのコンディションを最大限に高め、リーグ優勝を狙うということに、ある意味ではフィジオセラピストの枠を超えて貢献できるという環境があるのがこのチームでした。

責任を持った適切な”判断力”

Q.現在の職場で、フィジオセラピストとして最も求められることは?

A.もっとも求められることは、判断力だと思っています。オランダのフィジオセラピストの職域はとても広く、診断から復帰まですべてに責任を負います。私はスポーツメディカルセンターでも仕事をしていますが、そこでも同じことが言えます。

・怪我や障害の診断
・リハビリメニュー
・何をいつどう伝えるべきか
・どの頻度で
・何のトレーニングをして良くて、何がだめのか
・いつ復帰していいか

すべてにおいて責任があるため、患者さん、選手、監督が常にフィジオセラピストに聞いてきます。
 
 また、私の働くスポーツメディカルセンターは病院ではなく、フィジオセラピーの開業クリニックですが、マルチディシプリンというシステムを大切にしており、スタッフには、足病医、エコーの専門家、マニュアルセラピスト、スポーツフィジオセラピスト、オステオパシー、鍼灸師、チャイルドフィジオセラピスト、運動生理学者、スポーツ心理学者、スポーツドクターなど、多くのスペシャリストがおり、どの患者さん/選手をどのタイミングで誰に診てもらうか、ということも自分で判断できなければなりません。
 仕事中はコンスタントにこういったことの決断をくだしていくのです。そのつど最も適切な判断が下せるように、クリニカルリーズニングは大切ですし、多くの選択肢とその中から適切なものを選ぶ能力、経験が要求されます。

フィジオセラピストを取り巻く”環境”

Q.オランダと日本のフィジオ界、そして文化面でギャップや違いを感じるところは?

A.違いは沢山あると思うのですが、一番大きな違いがそのまま「なぜオランダはサッカーが強いのか」、そして「なぜオランダのフィジオセラピーは発展しているのか」の答えになると思っています。

それは「環境」です

 スポーツは誰でも、どこにいても、どんなレベルでも楽しめる環境があること。フィジオセラピーでは、開業権があることはもちろん、ダイレクトアクセスといって、医師の診断がなくてもフィジオセラピーのクリニックに来れるという環境がオランダにはあり、開業クリニックが切磋琢磨して、患者さんや選手にとってより良い医療サービスを提供しようとしていることが発展につながっているのだと思います。
 例えばダイレクトアクセスのシステムなどは、もともとは医療費削減のために始まりました。医師の負担を減らすことで、フィジオセラピストの責任は大きくなりましたが、そうすることで教育レベルもますますあがっています。

チャレンジあるのみ!!

Q.海外でフィジオセラピストとして活躍を目指している日本人にメッセージを!!

A.日本は多くの分野で先進国となっていますが、理学療法に関しては様々な面で諸外国から学ぶべき事が沢山あります。海外に出る事で視野を広げ、将来の日本の理学療法界発展に貢献してくれる方が増える事を望みます。海外での勉強や仕事は、言葉や文化の違いによる苦労ももちろんあるでしょうが、自分を成長させてくれることが沢山あります。

一度きりの人生です。目指しているものがあるのなら、とことんチャレンジしていきましょう!!

現在の活動等について、ブログ(http://ameblo.jp/koheifysio/)やTwitter(@sagaradeluxe)で情報発信していますので、興味のある方は覗いてみて下さい。

編集者’s eye

第17回療法士インタビューいかがでしたでしょうか?

オランダという文化も言葉も異なる国で、フィジオセラピストとして活躍している相良さん。
相良さんのインタビューを読んで、率直に「カッコいい!」と思ったのは私だけでないはずです。

オランダではフィジオセラピストに、その選手が復帰し再び活躍するまでの全責任があり、その場その場での適切な判断力が常に求められているとのこと。
そして、そのような環境だからこそ、教育レベルも上がり、当然臨床力も向上するのでしょうね。

また、相良さんは、インタビューの中でも少し触れられていた、「サッカーのピリオダイゼーション」に関して、今後日本でも少しずつ普及することが出来ればともお話していました。

療法士.comでは、今後もオランダ、そして日本でも活躍が期待される相良さんを応援させていただきます!

相良さん、お忙しい中インタビューにお答えいただきありがとうございました。

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