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第15回 療法士インタビュー

~第15回の療法士インタビューは、『薬剤とリハビリテーション』を研究テーマに、臨床と研究を両立なさっている理学療法士の内苑さんにお話を伺いました。
恩師にあたる教授との出会いから、今後の展望まで様々な内容が満載です。~

薬剤とリハビリの関係性を考えてみませんか?

医療法人 三州会 大勝病院 
理学療法士 内苑大樹

 

 

人の為に役に立つ仕事がしたい!

Q.理学療法士になろうと思ったきっかけは?

A.理学療法士になろうと思ったきっかけは第1に母親の影響です。母親は看護師で、家で色々な患者様の話を聞く中で、医療についての興味が湧いてきました。「自分も人の為に役に立てる仕事がしたい!」と考える様になりました。
第2に自分が小さい頃からサッカーをしており、「運動を通して、人の為に役に立つ仕事がしたい!」と考え、現在の理学療法士という職業を目指しました。

効果的なリハビリには脳の覚醒・賦活が必要!

Q.現在の研究テーマ「薬剤とリハビリテーション」を選んだ理由は?

A.まず「薬剤によるリハビリテーション」の必要性を教えて下さったのは当院リハ科の田中信行先生(鹿児島大学名誉教授)です。先生は「薬、特に脳機能に対する薬の作用をしっかり勉強して、それを脳卒中リハビリに役立てるべき」、「リハビリは技術次第という考えは誤り」という事を教えてもらいました。
 私の患者様で脳機能賦活剤を少し加えただけで覚醒レベルが向上し、身体機能のみならず、認知、ADLなどの大きな改善が見られた方がいました。服薬変更前は覚醒も低いため、患者様自身の訴えも少なく、何をするにも介助が必要でしたが、服薬変更後はトイレの訴えも出てきて、オムツからトレーニングパンツとなり、トイレで排泄が可能になりました。
 この症例を通して、効果的なリハビリのためには、

脳の覚醒・賦活が前提

いう事を知り、研究テーマに「薬剤とリハビリテーション」を選びました。それは理学療法は勿論、高次脳機能障害のリハビリや言語リハビリにおいて、より重要であり、今後は作業療法士・言語聴覚士ともさらに連携していきたいと思います。

科学的な思考の元、評価・治療の幅が広がる・・・

Q.実際に研究を進めていく中で、ご自身の臨床にどのような影響がありますか?

A.やはり今まで以上に深く患者様を診れる様になった事です。今までは覚醒が悪いのは「血圧が低いから」や「昼夜逆転しているから」位しか、考えが及ばなかったのですが、本研究を始めてから脳生理などの面から「覚醒レベルが低下しているのは脳内アセチルコリンの分泌量の低下ではないか」あるいは「ドパミン・セロトニン・ノルアドレナリン作用の低下により脳の興奮性が低下している」といった科学的な考え方が出来るようになってきました。そして実際にこれらの薬剤の投与でめきめき改善される患者様もいました。
 また、薬(安定剤・睡眠剤等)によってはめまい・フラツキなどの副作用が強い薬もあり、リハビリや日常生活に大きな悪影響を及ぼし、その薬の中止で状態が安定して来ます。患者様と近い、セラピストが早く患者様の変化に気付き、薬剤の知識を持った上で主治医などに相談することで、主治医も服薬調整をしてくれる事が増えてきています。

「記録(ノート)無き所に進歩無し」を信念に

Q.臨床と研究のバランスはどのようにとっていますか?

A.常に、臨床と研究を日常の臨床の中で関連させて行っています。服用している薬を随時チェックし、リハビリの内容・進行状況、ADLの変化をチェックしています。
また担当した患者様の変化や田中先生から学んだことを必ずノートに記載するように心掛けています。

「記録(ノート)無き所に進歩無し」

が田中先生の言葉です。田中先生の指導に従って毎日のノートを取る事で、過去に似たような患者様を担当した際にノートを見直すことで「効果のあったリハビリ」や「効果のあった薬剤、その作用」などを再確認し、最適の治療を行うことが出来ます。

EBPTが提供できるセラピストに・・・

Q.今後の研究の展望・展開は?

A.今後は今まで以上に脳の生化学的機序や薬剤について勉強し、薬剤投与前後の患者様の運動や認知機能・応答の変化を数値化し、少しでも多くの患者様に「科学的根拠に基づく理学療法」(Evidence-Based Physical Therapy:EBPT)が提供出来るように努力したいと思います。最終的には、脳の薬理と機能を結合したリハビリを目指したいと思います。
 また、多くのセラピストや学生に、脳が伝達物質で動いていることや脳に対する薬剤知識の重要性を知ってもらいたいと思います。養成校などでは中々、薬剤について学ぶ機会がありません。しかし脳障害の患者様にとって、脳機能賦活の薬剤は切っても切り離せない関係です。今後、多くの患者様をリハビリしていく上で、薬剤の知識を基に、より有効なリハビリを展開出来るセラピストが増えてきて欲しいと思っています。

一緒に療法士の可能性を広げましょう!

Q.臨床と研究を行っている同じ志を持つ療法士にメッセージを!!

A.近年、脳はリハビリだけで活性化するわけではなく、「科学的機序の理解」が大切です。セラピストの数は年々増加し、「量より質」と言われてきています。しかし、考え方を変えると毎年、多くの仲間達が誕生しており、その多くの力を合わせると無限の可能性広がっていると思っています。その可能性を更に広げるには「リハビリと脳機能賦活」を統合し、その専門性を研究でしっかりと立証する事が大切です。
 今後、リハビリテーションの発展は各々の専門性の確立・立証がカギになってくると思います。
私もまだまだ駆け出しの身ですが、単に技術だけではなく、脳の科学的メカニズムについて全国の療法士の方々と切磋琢磨していければと思っております。

皆さん、頑張って行きましょう!!

編集者’s eye

第15回療法士インタビューいかがでしたでしょうか?
『薬剤とリハビリテーション』に関して、臨床と研究を両立している内苑さん。
内苑さんの、実際の症例を通して、疑問を解決する前向きな姿勢は、多くの療法士が刺激を受けますよね。
今後、「科学的根拠に基づく理学療法」(Evidence-Based Physical Therapy:EBPT)が必要とされる時代の中で、注目の療法士になるのではないでしょうか。

インタビューにもありましたが、療法士の数が増加し、「質の向上」が謳われる中で、一人一人が自覚を持って行動することにより、「療法士は質・量共に充実!」と言われるような時代にしていきたいですね。

内苑さん、お忙しい中インタビューにお答えいただきありがとうございました。

また、最後に内苑さんから療法士.comをご覧の皆様にメッセージをいただきました。

『平成24年に「より認知される理学療法を求めて ~評価と治療を究める~」題し、第47回 日本理学療法士学術大会が鹿児島にて開催されます。全国の療法士の皆様の関心を引く有意義な大会にする為に日々、準備を進めています。是非とも、全国の療法士の皆様の参加をお待ち致しております。
大会期間中は私も準備委員で会場にいますので、見つけたら気軽に声をかけてください。』

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